工事監理という仕事 その3

11月 22, 2020 施工, 雑感

(3)施工を取り巻く状況

工事監理を機能させることは施工会社をけん制する意味で重要であることが分かっていただけたと思います。

ここでは施工側が不良工事を出す要因を考えてみたいと思います。私も施工会社に在籍していましたので欠陥を出す可能性というのはよく分かっているつもりです。施工会社、特に大手の会社ほど自分のところの社員が直接、施工はしません。下請け会社に依頼するわけです。この下請けには「1次」「2次」「3次」と重層に連なることが多く、元請けも実際に施工する会社が、どのような会社かを把握することに苦労します。(下請負契約には「1次下請け会社」から「〇次下請け会社」かは安全衛生法により決まった書類を提出させることになています。数次下になると「指示等」は元請けから下へ順次、「書類等」は下から順次元請けへ経ていき時間がかかります。)この構造が品質を低下させる要因の一つと思います。例えば元請社員が施工する職人を指導監督するのですが、現場を掛け持ちで非常駐ならいかがでしょうか。信頼度の高い施工会社でも「時の条件」(建築では年度末や半期末に完成させることが多く(決算の関係)、工程的に同じ業種の仕事が同じ時期に重なることが多く、職人の取り合いになります。)によっては不良工事をしてしまう潜在的可能性は十分あると思います。建築には多くの人の出入りがありますし、工程の厳守は絶対です。工程を厳守するあまり工事の品質は「なあなあ」になりやすい状況です。では、どうするればよいでしょうか。建築は工種別に積み上げ式の工程です。前工程が終わらないと、次工程に入れないのです。この時にチェックすることが有効であると思います。例えば次工程の会社が前工程をチェックする。「下地が悪い。改善しなければ次工程に入らない。」を徹底させることです。自分たちでチェックすることに甘えが出るようならば、第三者を介入させてチェックすることが必要でしょう。多くの目で注視したほうが不良工事を発見する確率が高くなります。何もなければ、それだけ完成後の品質に安心した住まいを約束されたものとなるでしょう。

では、なぜ「第三者」なのでしょうか。建築業界内では「お金」を握っている人が強いと言われます。建築主を除けば、元請会社が強い関係にあります。下請け会社は元請会社にあまり物を言えない関係です。では、「概念図B」の場合はいかがでしょうか。工務店だけで完結します。メリットとしては合理的で「概念図A」に比べて仕事の重複部分を1社で完結できるのでコストがかからないことです。デメリットは自分自身で工事等をチェックしなければならず、甘くならないでしょうか。建築主は建築に関わりを少なくできる分、何をしているか分からなくなり建築知識が無ければ、施工会社の言いなりとなり易いと思います。あなたはどちらを選択しますか。

(次回に続く)

投稿者: サイト管理者